日焼け止めの選び方
梅雨が明け、いよいよ夏本番です。日差しが強い日が続き、日焼けが気になりますよね。
そこで今回は日焼け止めの選び方についてご紹介します。
◯そもそも紫外線って?
「紫外線が強いので日焼けに気を付けて!」とはよく聞きますが、実は紫外線にはもう少し細かい分類があります。日焼けに関係するのは近紫外線を3つに分類したうちの「UV-A」と「UV-B」です。
「UV-A」は皮膚の真皮まで達するため、肌の土台にダメージをあたえます。そしてシワ、たるみなどの肌の老化を引き起こす原因となります。またメラニン色素をつくる細胞を刺激し、色素沈着の原因になります。
「UV-B」が届くのは表皮までですが、「UV-A」よりもエネルギーが強いため、炎症を引き起こします。肌がやけどをした状態になり、いわゆる日焼けで赤くなる原因の多くはこの「UV-B」です。こちらもシミやそばかすなどの原因になります。
ちなみに、紫外線は目に見える光(可視光線)よりも波長が短く、レントゲンで使われるX線よりも波長が長い電磁波のことをいいます。
波長が短いほど身体への影響は強くなりますが、日常生活でそれを感じることはありません。実は地球を取り巻いているオゾン層が、短い波長の電磁波から守ってくれているのです。
◯SPFとPAってなに?
日焼け止めを選ぶ際によく見る言葉にSPFとPAがありますよね。
なんの数値なのか実は知らない…そんな方は必読です。
SPFは「UV-B」からどれだけ守れるかの指標になります。数値が大きいほど日焼け予防効果が強くなります。
UV-Bを照射したあとに生じる赤みを指標にして決まり、最大が50+です。
日焼け止めを何も付けていない状態と比較して、日焼けするまでの時間を何倍遅くすることが出来るかが数字になっています。例えばSPF15であれば、何も付けていない状態と比べて日焼けするまでの時間を15倍長くすることができます。ただし紫外線の強さにもよるので、単純に数字が大きければ長い「時間」守れるというわけではありません。あくまで、数字が大きいほうが、より多くの紫外線「量」から守れるということを示しています。
PAはAの字があることからわかるように、「UV-A」の防止効果を示します。こちらは+の数が増えるにつれ効果が高いことを示します。最大はPA++++です。「UV-A」は生活紫外線とも呼ばれ、雲や窓ガラスも透過して肌に届きます。そして春頃から増加し、真夏とほぼ変わらないくらいの紫外線量になるため、1年を通して気にかけたい値です。
◯日焼け止めと肌
じゃあSPFとPAだけを見て選べばいいのね!…ちょっと待ってください。実は日焼け止めとして使われている成分は大きく分けて2種類あります。もっと細かく知りたい方は成分も比較して見てみましょう。
日焼け止めに使われる成分は紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類です。
紫外線吸収剤はエネルギーを吸収し、熱エネルギーなどに変化させて放出することで、化学的に紫外線が皮膚の細胞に透過するのを防ぎます。
紫外線散乱剤はその言葉のとおり紫外線を散乱、反射させ、物理的に肌を守ります。
そのため、化学的(ケミカル)な吸収剤と比べて、物理的な散乱剤のみの日焼け止めをノンケミカル処方と銘打って販売している商品があります。散乱剤のほうが肌への負担は軽くなる傾向にあり、ノンケミカルで肌に優しいというのが強みです。
一方、紫外線から守る力は吸収剤のほうが強くなります。肌が敏感な方は刺激を感じる方もいらっしゃいますが、肌に合っていれば吸収剤を使っていて問題はありません。むしろ、紫外線によるダメージの大きさを含めて考えると、トラブルがないのに肌にやさしいからという理由だけであえて変える必要はありません。また、散乱剤は白浮きして見えたり、軋みがちだったりするものもあり、使用感は吸収剤の方がよいといわれます。
なお、両方とも使用している商品もあります。詳しくは割愛しますが、パッケージの記載よりも詳しく知りたいときは、成分名で検索してみましょう。
○結局…どうやって選べばいいの?
これまで見てきたように、SPFやPA、成分を踏まえて、肌の調子やその日の予定で使い分けていくのがおすすめです。
まずはどんな場面で日焼けを防止したいのかを考えましょう。
日常生活での日焼けを防止したいのかレジャーやスポーツで使いたいのか。それによって「そんなに長い間外には出ないし荒れてる肌に優しいほうがいいわ」だったり、「たくさん運動して汗をかくし水に強い方がいいな」だったり、欲しい機能がわかってきますよね。
また、日焼け止めの中には保湿剤や美容液成分を含んでいる商品やクレンジング不要で洗う時の負担が少ない商品など特徴がある商品がたくさんあります。いつもよりもちょっとだけゆっくりパッケージを見比べて、ぜひ自分にぴったり合う日焼け止めを手に入れてくださいね。